毎週日曜日(10:00~11:30、13:00~14:30)に開催しています。
なお、12月と1月の第1週は休みとなります。
生駒市の北端にある高山町は、竹製品の伝統と業を伝える里です
500年の歴史をもつ「高山茶筌」をはじめ、様々な茶道具は1つ1つ手作業で作られ、その秘伝の技は代々、高山の人々に伝えられています。
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茶せんとは抹茶を点てるために使用する道具の1つです。
抹茶と言えば、こんもりと泡立てた姿が有名なため「泡だて器の一種」と考えられることも多く、例えば“茶せん”を英語で表記すると“Tea Whisk(お茶泡だて器)”となります。しかしながら、茶せんは本来お湯を加えた抹茶を、茶碗の中でかき回し均一に分散させる道具であり、泡を立てる道具ではありません。
冬に切り出された、生えてから2.3年生の竹を厳寒の時期にさらし、貯蔵したものを切断します。筋を挟むように切り円筒形の「コロ」にします。
筋の上部分位から先端の皮をむきます。次に大割包丁で等分に割っていきますが、割り方は竹の太さや、作る穂数によって12~24等分にします。
これを1片ずつ外側にこじあけ包丁で皮肌と身を分けて、身をとりのぞいていきます。
1片を大小交互になるように10本に割ります。
穂先になる部分を湯に浸し穂の内側を根元から先になるほど薄くなるように削ります。
内側にむかって丸くなるようにしごき形を作ります。削り方は茶筌の形によって変わります。
茶の味は味削りによって変わると言われるほど、最も難しい工程です。
削りあがった茶筌の外穂になる穂の両角を削ります。これは抹茶を点てる時に茶が付着しにくくするためです。
面取りした外穂をおりあげ糸で編んでいきます。
下編みで穂を広げ上編みで穂の根本がしっかりするようにします。
内穂を中心へ向かって組み合わせ、茶筌の大きさを決め根本の高さと間隔をそろえます。
穂先の乱れを直し、形を整え、穂先までの間隔などを均等に直し仕上げます。
茶筌師の方にこれを聞くと「1日に夫婦で5~10本できれば一人前といわれるが、手仕事は死ぬまで修行です。」という答えが返ってきました。
茶筌には様々な種類があり、竹の材質も1本1本異なるため「1日に何本できる」と、はっきりした数はありません。
茶筌づくりで最も難しいとされているのは「味削り」の工程です。
味削りは竹の皮の内側を、根元から穂先に向けて徐々に薄く削っていくという繊細な作業で、「茶の味は味削りによって変わる」と言われるほど重要な工程なのです。味削りをした茶筌の穂先の薄さは0.03㎜(100分の3㎜)といわれています。日本人の髪の毛の平均が0.08㎜、細い人で0.06㎜、太い人で0.12㎜といわれていますので、髪の毛の半分以下の太さということになります。昔は「半紙の半分の厚さに削れ」と教えられていたそうですよ。
一般的に茶筌の穂先というと、茶筌の中央に向かって丸くなっているものが多いのですが、その他にも真っ直ぐ上に伸びているものや、くの字に折れ曲がったものなど様々な形があります。
穂先は味削りによって薄く削られたあと、小刀と手でしごき、均一に丸められていきます。くの字に折れ曲がったものも、同じように小刀と手で癖をつけて作られますが、真っ直ぐに伸びた穂は、根元から穂先までの厚みを均一に近い状態で削ることによって作られます。こうして様々な形の穂先をもつ茶筌が作られているのです。